『開かせていただき光栄です』皆川博子著

皆川博子さん作の『開かせていただき光栄です』を読みました。間違いなく、私がこれまで読んだミステリー小説のトップ3に入る一冊です。

内容は解剖学を教える医師とその弟子たち、文学士を目指す少年などが登場するミステリーです。18世紀イギリスの世相や人々を見事に活写されているこの作品はまるで自分もその舞台にいるかのように思わせてくれました。キャラクター達もそれぞれ個性的に描かれ、いつの間にかその魅力に夢中になってしまいました。お話しは精緻な仕立てをされているうえに、耽美的なスパイスも加わり、独特な世界観を作り出しています。

それにしても、80歳を超えてこんなお話しを書く作者がすごすぎる。当時の生活の資料や解剖学についても色んな資料を読み、そしてプロットを組み立てて物語を作りだすのは並大抵のことではないでしょう。若い人物たちの会話文や描写もとても自然なことに驚きます。若い作家さんでも若い人のセリフが妙なことは多くありがちですが、この作品で皆川先生は20歳前後の男の子の会話をとても自然に書いています。

ミステリーとしても、一つの物語としても十分に楽しめる作品です。続編があるので、さっそく図書館で予約しました。また、寝不足の日が続きそうですが、読書の秋を楽しもうと思います。